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メンバー・計画研究

A01(ア)「ナノ構造解析のフロンティア開拓」

  • 研究代表者 松永 克志(名古屋大学工学研究科)
  • 研究分担者 阿部 真之(大阪大学大学院基礎工学研究科)
  • 研究分担者 中村 篤智(名古屋大学工学研究科)
  • 研究分担者 豊浦 和明(名古屋大学工学研究科)

触媒や固体イオニクスをはじめとする先端材料の特性は,界面における原子やクラスター,点欠陥の存在状態が特性発現の重要因子である.本計画研究では,高精度第一原理計算により複雑な材料界面の静的構造を解明するだけでなく,遷移状態理論および第一原理分子動力学を駆使して,表面での原子クラスター形成や界面での点欠陥拡散のダイナミクスを解明する.これと並行し,独自に開発してきた超高分解能非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)の手法を用い,表面担持原子・クラスターの原子分解能観察を行う.さらにはフォーススペクトロスコピー(Nature, 2007)やケルビンプローブ力顕微鏡との同時測定によって原子種同定,電子状態や接触電位差を原子分解能で可視化し,第一原理解析と連携することで表面担持原子・クラスターの活性度を解明する.触媒材料解析においてはA01(イ), A03(ケ)と連携し,ナノ構造と特性との関係を明らかにするとともに,A01(ウ), A02(エ), (カ), A03(ク)と連携し,固体イオニクス界面についても取り組み,材料創製に貢献する.

A01(イ)「ナノ機能元素解析のフロンティア開拓」

  • 研究代表者 柴田 直哉(東京大学工学系研究科)
  • 研究分担者 溝口 照康(東京大学生産技術研究所)
  • 研究分担者 藤平 哲也(東京大学工学系研究科)
  • 研究分担者 栃木 栄太(東京大学工学系研究科)
  • 研究分担者 石川 亮 (東京大学工学系研究科)
  • 連携研究者 幾原 雄一(東京大学工学系研究科)

高分解能透過型電子顕微鏡法(HRTEM),走査型透過電子顕微鏡法(STEM)などの最新電子顕微鏡技術を駆使し,結晶の表面,界面,原子空孔,ドーパント等において形成される特徴的なナノ機能元素構造を原子・電子のスケールから実験的に解明し,理論計算と共同で構造と機能発現の相関を明らかにし,ナノ構造情報を抽出する.特に,水素,リチウムなどの軽元素の直接観察が可能な最先端STEM法を積極的に活用し,これまで解析が困難であったナノ機能元素構造の解明を目指す.また,A01(ア), (ウ)との綿密な連携の下に研究を展開し,A02(エ), (オ)やA03(キ), (ケ)における材料設計・創出に応用可能なナノ構造情報を獲得することを目指す.

A01(ウ)「ナノ電子状態解析のフロンティア開拓」

  • 研究代表者 武藤 俊介(名古屋大学エコトピア科学研究所)
  • 研究分担者 山本 剛久(名古屋大学工学研究科)
  • 連携研究者 巽 一厳(名古屋大学エコトピア科学研究所)
  • 連携研究者 大塚 真弘(名古屋大学工学研究科)

ナノ電子プローブを用いた分光法,すなわち電子エネルギー損失分光(EELS:伝導帯DOS),カソードルミネッセンス(CL:バンド間遷移)と軟X線発光分光(SXES:価電子帯DOS)を集約し,動力学的回折条件によるブロッホ波の対称性を利用して,ナノ構造を内包する試料の電子状態・光学的性質・磁性を,「ナノ分解能で,同じ場所から同時に,かつ元素・サイト選択的に」測定する.そして得られたデータをA01(ア)およびA02(エ)と共同で統計処理することで多角的な情報抽出を行い,共通の分光的特徴を持つ領域の空間分布の可視化を通じて「高角度分解能・多元電子分光」という新たな格子特異点の定量分析法を開拓する.得られたナノ構造情報をA03(ク), (ケ)における材料創製につなげることを意識して研究を進める.

A02(エ)「ナノ構造情報に基づいた機能探索」

  • 研究代表者 田中 功(京都大学工学研究科)
  • 研究分担者 津田 宏治(東京大学新領域創成科学研究科)
  • 研究分担者 吉矢 真人(大阪大学工学研究科)
  • 研究分担者 大場 史康(東京工業大学応用セラミックス研究所)
  • 連携研究者 世古 敦人(京都大学工学研究科)

A01において革新的な手法によって系統的に獲得されたナノ構造情報を,統計熱力学および情報科学の学問体系に立脚して統合し,包括的な材料設計・創出に有用となる構造と機能相関のデータとしてA03に受け渡す.具体的には,統計熱力学に基づいた統合処理が可能な場合は,状態図の形で,化学組成と温度,圧力,構造の相関図を作り,それに基づいて機能探索を進める.情報科学的手法に基づくことが適当な場合は,データマイニングにより,機能の最適化を試みる.これらの結果を,A02内の(オ)高圧・高温や(カ)原子層制御実験のグループに受け渡し,推定結果を検証するとともに,実験に基づいた構造・機能探索を進める.そして,A03において具体的に創製実験を行うための材料デザインを実施する.

A02(オ)「高圧・高温プロセスを利用した新しい構造―機能相関の探求」

  • 研究代表者 谷口 尚(物質・材料研究機構)
  • 研究分担者 吉田 英弘 (物質・材料研究機構)
  • 研究分担者 遊佐 斉(物質・材料研究機構)
  • 研究分担者 宮川 仁(物質・材料研究機構)
  • 研究分担者 村田秀信(横浜市立大学国際総合科学部)

ベルト型装置による高圧合成(2GPa/3000℃〜10GPa/2000℃)とダイヤモンドアンビルセルによる高圧下その場観察(100GPa/2000℃領域)を基盤とした新物質探索・機能発現研究を行う.A02(エ)と密接な連携の下,理論的予測による新機能発現のベースとなる高圧結晶構造,界面等の構築を目指し,A01(イ), (ウ)との連携による微構造解析と理論的解析に基づくナノ構造情報を合成プロセスの最適化に帰還した上で,期待される機能の創出をA03(キ), (ク)と連携して行う.一方,対象とする高圧相の多くは通常の合成プロセスでは脱圧過程で低圧相へしばしば逆転換する.そこで,高圧下でのみ安定な構造を常圧下に凍結できれば対象物質を大幅に拡張できる.高密度相,準安定相を常圧下に取り出す為の構造安定化の要因(添加元素,固溶体組成,応力解放時の動力学等)を合成−理論−微構造解析を基軸としたナノ構造情報として明らかにし,新機能発現のための多様な結晶構造等を高圧合成する為の技術革新に挑む.

A02(カ)「原子層制御による新しい材料機能探索」

  • 研究代表者 太田 裕道(北海道大学電子科学研究所)
  • 研究分担者 平松 秀典(東京工業大学応用セラミックス研究所)
  • 連携研究者 山ノ内 路彦(北海道大学電子科学研究所)
  • 連携研究者 片瀬 貴義(北海道大学電子科学研究所)

新しい材料機能発現の舞台となるナノメートルオーダーの厚さの層界面「ナノ層界面」に直接アプローチする.バルクとは全く異なる機能物性を示すナノ層界面を,超精密な薄膜合成技術であるPLD法や電界変調法を駆使して作製・制御し,ナノ層界面で発現する新しい機能物性を探索する.さらに,表面解析A01(ア),界面解析A01(イ),電子状態解析A01(ウ)およびA02(エ)との綿密な連携によってナノ層界面構造を定量的に把握することで,ナノ層界面の機能物性発現に関するナノ構造情報を系統的に獲得し,A03(ク), (ケ)に提案・提供することで新しい材料創製に貢献する.

A03(キ)「耐環境性セラミックス材料のナノ構造制御と材料創製」

  • 研究代表者 北岡 諭(ファインセラミックスセンター・材料技術研究所)
  • 研究分担者 森分 博紀(ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所)
  • 連携研究者 桑原 彰秀(ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所)
  • 連携研究者 松平 恒昭(ファインセラミックスセンター・材料技術研究所)
  • 連携研究者 橋本 雅美(ファインセラミックスセンター・材料技術研究所)
  • 連携研究者 小川 貴史(ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所)
  • 連携研究者 小西 綾子(ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所)

高温での酸素や水蒸気による腐食,並びに,摩耗などが関与する過酷環境に対し,耐性の高いセラミックス材料を創出するためには,材料の表面,粒界,点欠陥,ドーパントなどについてのナノ機能情報を的確に知り,それに基づいて特性を最適化するためのナノ構造の因子を最適化することが重要である.本班では,まずセラミックス・コーティングを対象に,A01(ア), (イ)において酸化アルミニウムなど領域内共通モデル材料を対象として獲得されたナノ構造情報を, A02(エ), (オ)において統合し,その知見に基づいて活性種の吸着・拡散制御の観点からデザインされた材料を,応力場や電磁場などの特殊反応場を活用したプロセスを用いて実現することを目指す.同様の研究を,A03(ケ) と連携して離型性・防汚性等の表面機能を必要とする耐摩耗性部材等にも適用し,材料創出の幅を広げる.

A03(ク)「ナノ構造情報に基づいた新しい固体イオニクス材料の創出」

  • 研究代表者 菅野 了次(東京工業大学総合理工学研究科)
  • 研究分担者 平山 雅章(東京工業大学総合理工学研究科)
  • 研究分担者 鈴木 耕太(東京工業大学総合理工学研究科)
  • 研究分担者 田村 和久(日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門)
  • 連携研究者 森 大輔(学習院大学理学部)
  • 連携研究者 小林 玄器(自然科学研究機構・分子科学研究所)

ナノ構造情報に基づいて,イオニクス材料の新物質探索と物性開拓を行う.?物質探索:これまでに見いだした最高のリチウムイオン導電率を持つ材料のナノ構造情報を基本に,高いイオン導電率を持つナノ材料をリチウムや酸素,ヒドリド,プロトン導電体で構築する.?物性開拓:電極電解質界面の空間電荷層では,ナノ材料特有のリチウム吸蔵機構や拡散機構が出現する(J. Am. Chem. Soc., 2009).そのナノ構造情報を精査し,新規な拡散機構や吸蔵機構を持つ材料設計指針を開拓する.イオニクス材料は,蓄電池や燃料電池などの高性能化に直結するため,新物質・新材料のインパクトは計り知れない.その物質開発を効率よく進めるために,A01(ア), (ウ)やA02(エ), (カ), A03(ケ)と緊密に連携して,新規物質探索を系統的・効率的に進める.

A03(ケ)「規整ナノ反応場の構築と新しい触媒機能の創出」

  • 研究代表者 高草木 達(北海道大学触媒化学研究センター)
  • 研究分担者 原 賢二(東京工科大学・工学部)
  • 研究分担者 清水 研一(北海道大学触媒化学研究センター)
  • 連携研究者 松本 祐司(東北大学工学研究科)

原子レベルで構造規整した触媒反応場(規整触媒反応場)を構築し,新しくかつ環境や産業に有用な触媒機能の探索を行う.触媒材料として重要な表面金属ナノクラスター,有機金属錯体(及びそれを集積化),酸化物薄膜をターゲットとする.単結晶等のモデル表面に精密構築した規整触媒反応場に関して, A01(ア), (ウ)と連携して高度構造解析を行いつつ, 種々の触媒反応系おけるナノ構造と触媒反応活性の相関というナノ構造情報を明らかにする.得られた情報をA02(エ)において統合し,A02(カ),A03(キ), (ク)と連携して高機能実触媒(粉末触媒)の設計・創出への適用をめざす.

総括班

研究代表者 田中 功

連携研究者 松永 克志,柴田 直哉,武藤 俊介,谷口 尚,太田 裕道,北岡 諭,菅野 了次,高草木 達

評価委員

  • 佐久間 健人(高知工科大学・学長)
  • 足立 裕彦(京都大学・名誉教授)
  • 高野 幹夫(京都大学・名誉教授)
  • 森 博太郎(大阪大学・特任教授)

文部科学省 研究振興局 学術調査官

平山 朋子(正調査官・同志社大学)
大野 和則(副調査官・東北大学)